×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
日立市のYさんの話である。
Yさんの友人にDさんという男性がいる。
Dさんの自宅はお世辞にもきれいとは言えない。すなわちぼろ屋である。
そのぼろ屋のリビング、奥の部屋、奥の部屋の通路の柱に、御札(おふだ)が貼ってあった。特に通路は、嫌な雰囲気があるため、Dさんはあまり近づかなかった。御札が貼ってあるわけをDさんは知らなかった。尋ねることさえなんとなく避けていた。かかわりたくなかったのだ。
ある日、Dさんは一人で留守番をしていた。
しばらくすると、奥の部屋で人の気配がした。
泥棒かもしれない――
気になったDさんは、奥の部屋へと行ってみた。
その部屋には縦長の大きな鏡が置いてあり、その鏡と向かい合う位置にある押し入れと、タンスがあるだけだった。人がいるとすれば、押し入れの中だけだ。もしくは、通路の窓から外に出たのかもしれない。
確認してみたが、結局、押し入れにも外にも誰もいなかった。
安堵したDさんは、何気なく鏡を見つめた。
昼間でも暗い部屋だ。まして夕方であり、照明をつけていなかったため、ほぼ闇である。
不意に、鏡に何かが映った。
自分の背後に何かがいたような気がしたDさんは、再度、後ろの押し入れに近づいた。
しかし、やはり何もなく、Dさんはその部屋を出ようとした。
そのとき――
何かがDさんの片方の足首を握った。
足元を見下ろしたDさんは、息をのんだ。
床から伸びている手が、Dさんの足首を握っているのだ。
手の力は徐々に強くなっていく。
Dさんは卒倒しそうだった。
そして、そこからの記憶は、曖昧になってしまった。
つかまれたところは痣になり、しばらくは消えなかった。
現在、その家には誰も住んでおらず、御札がそのまま貼ってあるのか、定かでない。
Yさんの友人にDさんという男性がいる。
Dさんの自宅はお世辞にもきれいとは言えない。すなわちぼろ屋である。
そのぼろ屋のリビング、奥の部屋、奥の部屋の通路の柱に、御札(おふだ)が貼ってあった。特に通路は、嫌な雰囲気があるため、Dさんはあまり近づかなかった。御札が貼ってあるわけをDさんは知らなかった。尋ねることさえなんとなく避けていた。かかわりたくなかったのだ。
ある日、Dさんは一人で留守番をしていた。
しばらくすると、奥の部屋で人の気配がした。
泥棒かもしれない――
気になったDさんは、奥の部屋へと行ってみた。
その部屋には縦長の大きな鏡が置いてあり、その鏡と向かい合う位置にある押し入れと、タンスがあるだけだった。人がいるとすれば、押し入れの中だけだ。もしくは、通路の窓から外に出たのかもしれない。
確認してみたが、結局、押し入れにも外にも誰もいなかった。
安堵したDさんは、何気なく鏡を見つめた。
昼間でも暗い部屋だ。まして夕方であり、照明をつけていなかったため、ほぼ闇である。
不意に、鏡に何かが映った。
自分の背後に何かがいたような気がしたDさんは、再度、後ろの押し入れに近づいた。
しかし、やはり何もなく、Dさんはその部屋を出ようとした。
そのとき――
何かがDさんの片方の足首を握った。
足元を見下ろしたDさんは、息をのんだ。
床から伸びている手が、Dさんの足首を握っているのだ。
手の力は徐々に強くなっていく。
Dさんは卒倒しそうだった。
そして、そこからの記憶は、曖昧になってしまった。
つかまれたところは痣になり、しばらくは消えなかった。
現在、その家には誰も住んでおらず、御札がそのまま貼ってあるのか、定かでない。
PR
カレンダー